代表の古泉です。
「なぜ顎関節なのか?」をテーマに自身の経験から記載させていただきます。
私は外来の整形外科クリニックで理学療法士に従事し、2021年で11年になります。外来の整形外科には小児〜高齢者、スポーツ選手まで幅広い年齢層の患者が訪れます。
頸部(首)痛、肩関節痛、腰背部痛、股関節痛、膝関節痛、足部痛、骨折や外傷による怪我など幅広い疾患(病気の事を示す)に対応しています。
私が勤務する整形外科の医師は脊椎(特に頸椎)を専門にし、他外来と比較すると頸椎疾患のリハビリ処方が多いクリニックだと思います。
その中で若い頃ですが・・・
頸椎疾患の評価・治療に難渋し、幾度となくこの仕事を辞めようかとも感じた事もありました。それ程、頸椎疾患に対しては何故か苦手意識をもっていました。
そんな時に1年目から職場の先輩と同期で同じ地域にある整形外科で、海外で使用されるMagee Physical Assementという分厚い評価の本の翻訳勉強会をしていました。頭部〜足部まで機能解剖から評価まで、各部位ごとに載っている書物で臨床家の方にはお薦めです。
実はこの書物の【頸椎】の項目のページにある文章が書かれていました。
「頸椎を評価するには顎関節・肩関節も隣接関節として、十分に鑑別する評価をしなければならない」
と記載されいました。
実はこの一文が私の顎関節に対する探究と研鑽の始まりでした。
何故でしょうか?
日本の参考書には顎関節が載っているものはなく、養成校でも解剖の時間に咀嚼筋や舌骨筋など関連する筋肉の情報しか学びません。
しかし、同じ人間を診る理学療法士にとって、これは少し不思議なことではないでしょうか
。
海外の理学療法士は診て、日本の理学療法士は診ない。しかし頸椎疾患には日本の理学療法士は対応している。
そこから顎関節を独学で学び始めました。少し英語が読めたので、インターネットで海外の書物を買い漁りました。すると、頸椎疾患の評価や治療の幅が大きく広がり、気持ち的にもとても楽になり臨床が楽しくなりました。
ある症例の方がとても喜んでくれ、今でもそのお言葉は忘れません。
「先生は魔術師ですね、今まで色々な病院を巡ってきたのに、少し口を動かすだけで首の痛みがこんなにとれるなんて。今まで何をしていたのか・・・」
50代の女性の方でしたが、涙目で私にその言葉を発してくれました。
頭部や顔面、もちろん顎関節は”日本の理学療法の穴”とよく私は感じ考えています。
「知っているか知らないか」
だたそれだけの事で、私達臨床家が患者の運命を大きく変えることになります。
2020年現在、今は非常勤で歯科の先生と一緒に働かせていただき、顎関節学会など複数の歯科学会にの所属し日本の顎関節の発展に微力ながら貢献したいと考えいます。
私は理学療法士なので、いつか歯科で理学療法士が普通に勤務し顎関節症に歯科医と対応する姿を夢みています。
このホームページは顎関節に関連する情報をブログ・セミナーを通してインフォメーションしています。閲覧していただいている、臨床家や歯科関係の先生方の架け橋になるホームページになればと思いを込め作成しました。
少しでも皆様と患者のお力添えになれれば、私としては幸甚に思います。
2020.2.20
研究会代表 古泉貴章