第3期 養成講座満員御礼<今の思い>

 
顎関節を勉強し始めて8年が経とうとしています。
 
理学療法士になって14年、最初の5年はほとんど休みなく講演会に行き、書籍を購入し、論文を読みました。
友人はお給料で新車を買っていく中、私はそんな生活をしていたので車を諦めた記憶があります。
 
お金は貯まりませんでしたが、そんな生活をしていたら数え切れないほどの仲間や文章と出会うことができました。
 
今では財産となっています。
 
臨床に出て2年目、整形外科での頸部疾患の臨床に悩んでしました。
先輩は「C5/6が硬い、ここの動きが悪いから・・・」など丁寧に教えていただきました。
 
しかし、性格が捻くれている私は・・・
「じゃあなんでそこが硬くなるだろう?動きが悪くなるのだろう?」と、苦しんでいました。
(ついでに今までに理学療法士を辞めたいと思ったことは3回あり家族にも相談しました。苦笑)
 
そんな悩みの渦中、ある翻訳の勉強会で出会った1冊の海外書籍から道が開けました。
 
その一文です。
「頸部の評価をする際は、顎関節・胸椎・肩部との鑑別評価をしなければならない<Magee.2015>」
 
この書籍と出会ったことで顎関節を知ることができました。
また海外と日本の知識量(評価の本でしたが、厚みが日本の3倍以上あります)の違いを分かることができました。
調べると顎関節の参考書は和書にはなかったので(歯科書籍を除き)、海外の書籍をAmazonで買い漁り、独学で勉強していました。
 
現在も書籍を読むことはかなりの時間を費やし、少しづつしか進みませんが常に3冊は同時進行です。
飽き性の私ですが、なぜか顎関節の勉強だけは続けることができました。
 
それはなぜ・・・?
 
今考えてみると、2つのポイントがあることが分かりました。
①学ぶほどに症例の変化と評価・治療技術と効果の向上を感じれたこと
②国という違いがあれど同じ理学療法士なのに、この差があってはいけない!
という感覚、考えだったがあったからだと思います。
そんな思考を頭の中心に置きながら、歳月を重ねるのなかで海外にも研修に行き、大学院で顎関節の運動解析の研究もしました。
 
また歯科医院にも6年前から非常勤として勤務させていただくことができました。
「理学療法士として何ができるか」という問いを毎回胸に突き刺し、臨床をしていた気がします。
ただ歯科院での臨床は本当に苦しみながらも、楽しさが勝っていました
理学療法が歯科の症例にも通用すること、また顎口腔からの影響がこれ程まで身体に影響することが分かってきたからです。
これは整形外科外来の臨床でも、バッチリ応用することができ、一気に臨床の幅が広がりました。
 
周りのスタッフから見たら、間違いなく変人だった思います。今でもかもしれませんが・・・苦笑
 
5〜6kgの重い頭蓋を支えているのが頸椎・肩・胸部・体幹です。
顎関節含めた頭部の位置(頭位と言います)は、当然ですが身体に影響します。
読者の皆様も頭部を左右どちらかに側屈させた状態で、身体感覚を感じてみて下さい。脊柱の位置も変わり、荷重感覚も変わるはずです。
そのまま立ち上がったり、歩行したりしてみて下さい。これを読んでいただいている読者の方は、きっと優秀で身体感覚も優れている方が多いと予想しています。その変化量を体感できる方が多いと思います。
 
話を戻し、顎関節に関することを研鑽していくうちに、リハビリテーション界の研修会団体からお声が掛かるようになり、講演させていただく機会もいただけるようになりました。
講演に来ていただいた参加者の先生からは嬉しいお言葉をいただけたのですが、最初は参加者が集まらず責任を感じていた時代もありました。
何度か講演を断ろうかと思ったこともあり、顎関節を通して本当は自分は何がしたいのだろう・・・と考えていた時代がありました。
 
単発のセミナーでは伝えれることは、3割程度が限度です。
 
そんな中、再会したのが養成校時代の同級生の林先生でした。
林先生とは千葉県理学療法士協会の広報部で一緒に仕事をしたりしながら、
お互いの理学療法に対する考え方、また仕事に対する考え方を少しずつ、少しずつですが、自然に共有する時間ができていました。
学生時代は普通の同級生でしたが、お互い馬鹿をしていましたが・・・
人は変わるものですね。笑)
 
お互い会う機会が増えていく中で、私の顎関節に対する考え方に賛同してくれました。そして単発セミナーではなく、コースとしてセミナーを企画・運営してくれることになりました。
作っていくなかで、色々厳しい意見もいただきましたが、間違いなく私にはない視点で今でも的確な意見をくれます。
私が顎関節を通して感じたことは以下の3点です。
①臨床の幅が飛躍すること
②今でも海外との差が大きいこと
③歯科医の先生から必要とされていること
そして何より顎関節治療で効果がでた時の、症例の方の驚いた顔と笑顔です。
それらを今はライフワークとして伝えていきたいと思っています。
 
これからも色々な逆風が吹くのは百も承知です、今までも皆様が思っている以上に逆風を感じてきました。
でも支えてくれたのは、やはり症例の方の笑顔です。
 
症例の方の笑顔を見ると、やはり理学療法という仕事の素晴らしさ、自分の存在意義みたいなのが感じる時が稀ににあるんです。
「今まで色々な整体、カイロ、整形外科を渡り歩いたが改善せず、しょうがないと諦めていた。こんな簡単なことで、症状がとれるなんて嘘のよう。今まで何だったのか・・・お金がをだいぶ掛けてしまった」 
50代 男性
 
「もっと早く先生に出会っていれば、人生がもっと早く明るくなっていたと思う。けど出会えて本当に良かったです。」 
30代 女性
 
「先生のお陰で子供の姿勢が良くなり、成人式の着物もこんなに素敵に着させてあげることができました。今でも思い出すと涙が出てきてしまいます」
40代 女性
 
お陰様でこの顎関節リハビリ養成講座を現在受講するのに、予約待ち状態です。当時、講演に呼ばれても集客できずに苦しんでいた頃からすると、想像もできない状態です。
 
本当にご参加いたたいだ先生方には深く御礼申し上げます。
 
この養成講座を通して伝えられることは、全て伝えていきたいと思っております。
 
参加していただいた先生のため、そしてその向こうにいる症例の方のためにも。
そして5年後、10年後、海外のように歯科医と協力した医療連携の時代が必ず日本でも来ると信じています。
歯科でPT・O T・S Tなどのコメディカルが勤務するのが、当たり前の時代が必ず来ると信じて動いています。
 
それが実現するように、私は時間を使っていくつもりです。
 
そして、昨年から日本理学療法士協会と日本顎関節学会の先生と、そんな時代の1歩としてミーティングを重ねることができました。
課題は山積みですが、登山のように一歩一歩進んでいけたらと思います。
 
そして、いざ頂上に着いた時に、誰も顎関節を診れる先生がいないのは本末転倒です。
その時が来た時には、是非お力をお貸し下さい。
 
この顎関節セラピスト養成講座の修了生を中心に、お仕事の声を掛ける時が来ると思います。
 
私は今、歯科医院に3施設行かせていただいております。
まだ現在も多くの施設からかかっており、非常に光栄なことですが、今は完全なるマンパワー不足状態です。
そのために、この顎関節セラピスト養成講座を林先生と作りました。
 
私の理念や知識技術を習得している養成講座を修了された方々の中からご縁を繋ぎたいと思っております。
その時がくるまで、私は症例を重ね、顎関節の情報を常にアップデートしていきます。
 
最後になりますが、顎関節や顎関節リハビリセラピスト養成講座に興味がある方は、ホームページをぜひご覧ください。
この養成講座を通して、皆様に出会えることを楽しみにしております。
 
2022年2月12日 代表 古泉貴章
 
 

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